2010年01月05日

京都市の闇・みやこ互助会

 『ネットワーク京都』という、京都の一部の人には有名な雑誌がある。2010年1月号に「住民訴訟への備え 「みやこ互助会」は誰のために」という記事が載っていて、京都市長の異常な無責任体質を知る上で興味深かった。

 ぼくは以前「首長への賠償請求を議会が放棄するのはだめ」(記事はこちら)という記事で、住民訴訟に対応するために首長の賠償保険をつくったらいい、というようなことを書いた。この記事によると、僕が口を挟むまでもなく、そういう制度はあるらしい。ただ、知事や市長などの首長が加入出来る保険の場合、損害賠償5000万円、争訟費用300万円のコースで首長の掛け金は年額267万6000円にもなる。一方、一般職員のみが加入でき、首長は加入出来ないタイプの保険もあり、例えば京都府庁生協が窓口となる「公務員賠償責任保険」は、損害賠償金5000万円、争訟費用500万円のコースで掛け金年額が9200円だそうだ。首長は一般職員と同じレベルの保険に加入するのに300倍近い掛け金を払う必要があるということだ。これは、首長の責任の重さを考えればあながち高すぎるということはないだろう。

 一方、京都市には、こういう民間の保険とは全く別次元に「みやこ互助会」という幹部職員の互助組織がある。市長以下の特別職、1200人ほどいる管理職の多くとOBが加入しているらしい。

 会費は市長、副市長が年額12万円、局長級が年額6万円、部長級が年額3万6000円、課長級が年額2万4000円だそうだ。民間の保険で、首長が一般職員の300倍近い掛け金を払っているのと比べると、市長・副市長には優しく、他の下級の管理職には厳しい内容になっていることが分かる。

 損害賠償の内容も不明確だ。過去の実績を見れば、市長の賠償責任に関してはほとんど無限定と言ってもいいかもしれない。最近も、桝本前市長に対する2000万円の賠償請求が確定した事件では、みやこ互助会が全額を負担しているようだ。賠償額の面でも市長に優しい組織と言える。民間の保険では重過失がある場合には保険金を出してくれないことと比較すれば、市長への優しさはことさらだ。

 そして、みやこ互助会の組織のあり方も多分に問題がある。任意加入だというが、現職の角川市長が「もっと会員を増やさなければだめだ」と発言しているらしく、市長に睨まれたくなければ加入するしかない。

 以前にも書いたように、京都市の無責任行政の体質は根深く、前々市長は死後に限定承認手続きを取られ、前市長も億単位で損害賠償をしており、現市長も大阪高裁で7000万円の賠償命令を受けて上告中だ。前市長が億単位で賠償しているのに破産しないのはみやこ互助会のプール金を食いつぶしたからだ。

 結局、そういう人たちの無責任な行政を担保する機構の一つがこの「みやこ互助会」だと言える。京都市政は、今後も責任者の損害賠償請求のオンパレードになることが予想される。こんな腐った組織は早く解体して、市長は市長なりの責任を負担するようにすべきだろう。
posted by ナベテル at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 行政事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この4月に京都市で課長に昇任しました。
給料日と前後して「みやこ共済」の案内を送りつけられました。基本的には加入したくないのですが,加入しないと退職後の就職を斡旋しないとか,職場での立場が悪くなるとかの話を聞きます。まさにお書きになっている「市長に睨まれたくなければ加入するしかない」なのでしょう。
課長と言っても私はまだ駆け出しの立場です。この共済の仕組みは雲の上の人がチョンボしたときの尻ぬぐいのためにみんなから金を集めているだけのような気がします。なんとかしてこういう会を表舞台に晒してやりたいと思うのですが。
Posted by 京都市の新課長 at 2010年04月24日 00:19
>新課長さん
貴重な話をありがとうございます。2年後には市長選もあるので、そういうところで争点化していけるといいかもしれませんね。もし、情報ありましたら、直メッセージでもくださいませ。ブログの右上にメッセージ欄の入り口があります。
Posted by ナベテル at 2010年04月24日 14:59
ご無沙汰しております。
4月にコメントを書きました者です。

先日,「みやこ共済」を取りやめるとの書類を見る機会がありました。
(結局私は会費は払わずに通しました)

保険会社と契約し,「団体地方公務員賠償責任保険」というのが導入されるようになったためらしいです。

今度は,支払限度額1億円の場合ですと,首長は年間69万円です。その他の職員は今までは課長級で24,000円年間に払ってられましたが,今度は6,960円だそうです。

一方,プール金の返却はトラフィカ京カード配布で行われるようで,加入期間2年未満は1万円,4年未満は2万円,4年以上は3万円らしいです。これくらいでプール金はなくなるとはとても思えませんが,詳しい会計報告はきっとないでしょう。

金銭的に関わっていなかったので,正直厭な思いをせずにすんだ,とほっとしています。
Posted by 京都市の新課長 at 2011年01月29日 19:07
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