2010年01月07日

阿久根市長の防災行政無線濫用は違法の可能性

 鹿児島県・阿久根市の竹原市長が防災行政無線を使ってマスコミ批判を展開したという。この人は本当に話題に事欠かない、というか民主国家での行政の長としての資質の欠如が甚だしい。怒りを覚える。
<阿久根市長>防災無線で報道批判 電波法抵触の可能性も
1月6日11時40分配信 毎日新聞

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が5日夜と6日早朝、「意図的に誤解を誘導するキャンペーン」などとの報道批判や竹原市政の実績を訴える録音テープを市の防災行政無線で放送した。市議らは「無線を悪用し、選挙演説しているようなものだ」と批判。電波の目的外使用を禁じた電波法に抵触する可能性もあり、総務省九州総合通信局(熊本市)は「情報収集中」としている。

 市関係者によると、放送は約4分20秒。竹原市長は4日朝、市総務課にテープを手渡し、放送を指示。5日は午後7時半過ぎに、6日は地区別に午前6時過ぎと同6時50分の2回に分けて流したという。

 複数の市民らによると、新年のあいさつのスタイルで、竹原市政の実績をアピール。昨年11月に自身のブログに書いた障害者に対する差別的記述が約1カ月後に報道されたことを「誤解を誘導するキャンペーン」と批判。「新聞社は、私が本当の情報公開をやることで進んでしまう社会改革に危機感を覚えているのだと思う」とも述べた。「今後も出されるであろう新聞騒ぎでは、しばらくの間、大目に見てほしい」と述べたという。

 九州総合通信局によると、市の防災行政無線は本来、災害情報の提供が目的。市主催の公的行事など「行政情報」の広報に限り電波使用を許可している。市の規則でも「防災、行政事務及び広報」以外には使用できないと定めている。【福岡静哉】

 防災行政無線ってどんなもんか、と思ったら、地元にもある、光化学スモッグ注意報を発令するあのスピーカーのことのようだ。
阿久根市長、防災無線使いマスコミ批判
1月6日3時3分配信 読売新聞
〜略〜
 防災行政無線は市内各地の屋外や一部の家庭に設置されており、竹原市長の話は午後7時半頃から突然、数分間流れたという。
〜略〜

 あの屋外のスピーカーを使って、午後7時半だの、午前6時だのに政見放送を垂れ流すことについて普通に社会人として問題を感じないのだろうか。

 他の新聞報道によると、総務省は電波法違反での追及を諦めたようだが、電波法は以下のようになっている。
電波法
(目的外使用の禁止等)
第五十二条  無線局は、免許状に記載された目的又は通信の相手方若しくは通信事項(放送をする無線局(電気通信業務を行うことを目的とするものを除く。)については放送事項)の範囲を超えて運用してはならない。ただし、次に掲げる通信については、この限りでない。
一  遭難通信〜以下略〜
二  緊急通信〜以下略〜
三  安全通信〜以下略〜
四  非常通信〜以下略〜
五  放送の受信〜以下略〜
六  その他総務省令で定める通信

第百十条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
〜略〜
五  第五十二条、第五十三条、第五十四条第一号又は第五十五条の規定に違反して無線局を運用した者
〜以下略〜

 阿久根市が防災行政無線のために総務省から得た免許状にどのような項目が書いてあるのかは分からないが、阿久根市自身の規則からおおよそのことが分かる。
阿久根市防災行政無線管理規則
(通信の原則)
第7条 通信は,防災,行政事務及び広報以外の用に使用してはならない。
2 通信は,簡潔,明りょうに行わなければならない。
(乱用の禁止)
第8条 通信は,これを乱用してはならない。

 小さな市町村の規則が瞬時に分かる世の中になったのは凄いことだが、それは脇に置いて、阿久根市は防災行政無線の用途を防災、行政事務、広報という三つのカテゴリーに分けて規定していて、他の目的での利用を禁止していることが分かる。

 当然のことだが、市長の施政方針演説はこれのどれにも属さないのではなかろうか?防災行政無線は、防災のための無線だからこそ、電波法上の電波利用料が減じられている。こういうものを市長の政治活動のために私物化するのはそれ自体が極めて問題で、行政の長が行政規則を破るなんて不法も甚だしい。その上、免許状の範囲が上記の阿久根市の規則の範囲と同じだと仮定すれば、市長の行為は目的外利用の電波法違反になる可能性もあるのではないか。行政事務だから目的外ではない、という総務省の見解が真実だとすれば、紛争の激化を避けるための政治的配慮の可能性がある。公共の電波が政治目的のために濫用されているのに、それは甘すぎないだろうか。今後、もっと大物の独裁的な人物が出たときに「前例がある」と居直られるのが一番怖いのだ。
posted by ナベテル at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 行政事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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