詳細についてはそのうち事務所のホームページに載る弁護団声明に譲るが、新人の頃からずっと関わってきた新採教員の分限免職取消請求事件に勝った!
京都新聞 2010年02月27日(土)
元教諭の分限免職取り消し確定
最高裁、市側上告受理せず
京都市立小学校で2004年4月から1年間の条件付きで教員採用した男性(36)について、「指導力不足」を理由に分限免職とした市教育委員会の処分の適否が争われた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は27日までに、市側の上告を受理しない決定をした。
男性の処分を取り消した一、二審判決が確定した。決定は25日付。
2008年2月の一審京都地裁判決は、男性が受け持ったクラスが「学級崩壊」状態になった点に触れ「指導が不十分な面はあったが、適格性に欠けていたとはいえない」と指摘。「市教委の裁量権行使は誤りで違法」として処分を取り消した。
昨年6月の二審大阪高裁判決も「分限免職を検討する際には、将来成長していくだけの資質や能力があるかどうかとの観点から判断すべきだ」として、一審の判断を支持した。
二審判決によると、男性は04年4月に採用され、5年生の担任になった。市教委は「指導力が著しく不足しており、保護者の信頼を喪失した」などとして05年2月、男性本人に同3月31日付の分限免職処分を通知した。
何の因縁か知らないが、京都市の上告受理申立を却下した裁判長は僕が司法修習生の時の研修所長官だ。さらに遡ると、学生時代にこの人が書いた論文で勉強させてもらった。
で、そんなことは関係なく、判決内容について。
京都市教委はボロカス言ってこの先生を首にしたわけだが、実際には彼を分限免職に追い込んだ校長ら管理職の方が「指導力が全く不足」した人たちだった。当時の校長なんか全く支離滅裂な人間で、他学年の児童が行方不明になり、職員室にいた教員みんなで捜索することになったときに、職員室の校長の席から二十数人いる教員に対して「成績付けが終わっていない人は無理せんといて下さい」と言ったことをもって、原告の先生に「学校に残るように職務命令を出した」と言い張り、僕が、そんなの職務命令と気づかないといけないのか?と聞いたら「それを気づかないのが彼の悪いところなんです」と開き直った。この「職務命令違反」も免職処分の理由になっていたのだ。こんな校長に評価されて「無能」の烙印を押されるのは本当に不幸だ。
ご本人は、管理職の無茶苦茶な指示にも忠実に従い、超多忙な今の学校の中で、睡眠時間もとれずに子供に向き合い、最後はうつ病になって、文字通り命を削りながら頑張っていた人だ。実際にあってみれば分かるが、「無能」とはほど遠いイメージの持ち主。そんな人が病気にさせられた上に、一方的に免職されて、今日まで4年間も学校から追放されていたのだ。
この裁判は僕にとっても全く辛いものだったが、記録を検討するたびに、管理職の滅茶苦茶なやり方に怒りが沸いてきて、必死に書面を書いた。それがついに報われたのは弁護士としても冥利だ。
失われた4年間のキャリアは取り戻せないけど、原告先生は、他の人には絶対に経験できない貴重な体験をした。職場に戻って、元気に仕事をして欲しい。
地裁と高裁の取り消し判決を、最高裁も支持して確定したことが、、私のブログ http://blog.goo.ne.jp/jp280
の次の記事に書いて有ります。
『岡山県の公立中学校教員が指導力不足で分限免職』が、最高裁でも取り消し判決』 2010年09月24日