2010年03月04日

名古屋・河村市長が小選挙区制希望の怪

 名古屋市の河村たかし市長が名古屋市議会の定数を半減させた上で小選挙区制を導入しようとしているようだ。
しんぶん赤旗 3月2日
河村名古屋市長
市議定数75→38 削減案
「民主主義守れ」住民運動
議会の役割弱める


 名古屋市の河村たかし市長(前民主党衆院議員)が、開会中の2月市議会に市議定数半減と選挙区定数案を提案するとして、その内容が明らかになりました。同市長は9日、議会に追加提出する方針です。
写真

(写真)議員定数削減に批判の発言が続いたシンポジウム=2月27日、名古屋市

 市議会の定数は、現行の75を38に減らします。同市の選挙区16区のうち、過半数の9区を定数1ないし2にするとしています。

 1選挙区で1人しか当選できない小選挙区や二大政党の議席独占をもたらす2人区は多数の「死に票」を生み、少数意見など市民の多様な意思を切り捨てることになります。

 名古屋市の総人口は約225万人。地方自治法の定める上限定数は88です。定数38になれば、政令市中最少の人口約70万人の岡山市を下回り、県内では人口38万人の岡崎市より少なくなります。

 河村市長は、この議員定数半減を、政務調査費廃止、議員報酬半減と合わせて「議会改革」条例案として提出します。

 これらのねらいは、「議会改革」の名で議会の役割を決定的に弱め、市長の強権体制を確立することにあります。同市長は、首長と議会の「二元代表制」について「立法ミス」と主張しています。

 水田洋・名古屋大学名誉教授ら著名な13氏は1月8日、市議定数半減に反対し民主政治を守るための共同声明を発表。賛同者が急速に広がっています。

 日本共産党名古屋市議団が2月27日開催した議会改革シンポジウムには会場満員の200人の市民が集まり、議員定数削減を批判する声があがり、民主主義を守る運動をいっそう強めていく機運が高まっています。

 江上博之・党市議団幹事長は「『定数半減反対、民主主義守れ』の一点で広範な市民と共同し、河村市長の暴挙を阻止したい。市民に、市長への申し入れ、議会各会派やマスメディアへの要請、宣伝、集会など、緊急の行動を呼びかけていく」と話しています。

 地方自治体は「民主主義の学校」である、と言われる。以前は「真剣勝負の政治が「学校」ってどういうことだ」と思っていたが、最近はこの言葉の意味するところが分かるようになった。住民が声を上げ、その声を余すところ無く拾い上げて施策に反映するのが地方自治体の役割なのであり、民主主義を身近に実戦する場になる。そして、そうやってみんなが意見を聞かれて声を出せる、というところが学校のクラスでやる会議にも似ているのだ。だから、政令市以外の市町村では議会の選挙も全域を一区にしてやっている場合が多い。政令市でも各選挙区にはそれなりの議席数を配分して多様な意見が通りやすいようになっている。

 名古屋の河村市長は就任以後、マスコミを味方に付けて派手な発言が目立つ。この議員定数削減問題は、定数を削減すること自体の問題と、小選挙区制を導入しようとしている問題が混ざっているのだが今日は後者のみ触れる。
 議員を減らすときによく言われる議論は「無駄削減」論だが、議員を抱えるコストが問題なら議員報酬を減らすとか、議論の余地は沢山ある。コスト論を前面に出して小選挙区制を導入するのは全く理屈が通らない。
 結局、見えてくるのは、記事の後半に書いてある、首長vs議員という現在の地方自治制度が「立法ミス」だという河村市長の考え方だ。小選挙区制を導入すると、多様な民意は切り捨てられて、一番声の大きいところの意見だけが通るようになる。これは市長選で一番になっている市長の意見と一致する傾向が出るだろう。小選挙区制にすることで反対勢力の議会進出を阻止し、市長独裁をやろう、という恐るべき計画が見えてくる。河村市長の場合、発言からすると、その意図を隠そうとすらしない。
 橋下知事の時にも書いたが、権力者が「俺に独裁権限をくれ」と図々しく発言する事態にはよくよく注意する必要がある。まして、名古屋市は基礎自治体だ。国政選挙は小選挙区制が主流で民意が反映されない状態なの(=大量の死票)、地方議会にも民意が反映されなくなったら、日本の民主主義は死ぬ。こんな暴挙を許してはならない。これはコストの問題ではない。民主主義の問題だ。
posted by ナベテル at 10:23| Comment(1) | TrackBack(0) | 公職選挙法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ギリシャが公務員の給料が高いせいで崩壊している姿を見て
とても他人ごととは思えません。

「『年間1630万円』という商品買ってくださいよ」と市民に問うのなら、
その『年間1630万円』の商品はどういうものなのか明確にすべきですよね。

◆『年間1630万円』の内訳詳細を公開。1円単位で領収書を公開。「地方議員年金に収めている金」。将来年金としてもらう金などなど。
◆勤務実態の公開。何時間働いて、残業はどの程度なのか。
◆仕事のアウトプットの実績の公開。何人でどれだけの仕事をしたのか。
◆秘書の仕事のアウトプット実績公開。1年間でどれだけのアウトプットがあったのか。
◆秘書の仕事の勤務時間公開。何時間ていど働いているのか。

すべてを公開した後に、市民に判断を仰ぐ。
Posted by at 2011年01月12日 05:00
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