2010年03月05日

阿久根市竹原市長辞めさせる方法はあるか

 昨日、阿久根市の竹原市長が議会に「登庁拒否」しているニュースが流れて以降、この関連のキーワードでの来場者数が増えている。今流れている「給与未払」「差押え」関連のニュースは法律かじってる人なら誰でも予測の範囲のことなので、過去の日記は「予想的中」と自慢するほどのものでもない。
 
 法律的な展開として、次にわいてくる疑問は「あの市長を辞めさせることはできないのか」ということだろう。ネット上では「今の市長は精神的に職務に耐えない」という理由で辞めさせられないか、という意見があったが、これはかなり難しい。地方自治法では

第百四十三条  普通地方公共団体の長が、被選挙権を有しなくなつたとき又は前条の規定に該当するときは、その職を失う。その被選挙権の有無又は同条の規定に該当するかどうかは、普通地方公共団体の長が公職選挙法第十一条 、第十一条の二若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法第二十八条 の規定に該当するため被選挙権を有しない場合を除くほか、当該普通地方公共団体の選挙管理委員会がこれを決定しなければならない。

となっていて被選挙権が無くなれば失職するのだが、精神的な理由で被選挙権が無くなる場合というのは
公職選挙法
(選挙権及び被選挙権を有しない者)
第十一条  次に掲げる者は、選挙権及び被選挙権を有しない。
一  成年被後見人
〜以下省略〜

成年被後見人になったときくらいだ。
 成年後見の開始要件は
民法
(後見開始の審判)
第七条  精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

となっていて、「事理を弁識する能力を欠く常況」であることが大前提。これはうつ病に罹患したくらいではまったく該当しない。そして、精神的な理由での失職を認めないのは、恣意的な解職を許さないためには妥当だろう。

 それ以外に解職する方法は二つある。@議会での不信任決議、A住民によるリコールだ。 
 議会での不信任決議は以前に竹原市長が失職したときの方法。
地方自治法
第百七十八条  普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、直ちに議長からその旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなけ ればならない。この場合においては、普通地方公共団体の長は、その通知を受けた日から十日以内に議会を解散することができる。
○2  議会において当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をした場合において、前項の期間内に議会を解散しないとき、又はその解散後初めて招集され た議会において再び不信任の議決があり、議長から当該普通地方公共団体の長に対しその旨の通知があつたときは、普通地方公共団体の長は、同項の期間が経過 した日又は議長から通知があつた日においてその職を失う。
○3  前二項の規定による不信任の議決については、議員数の三分の二以上の者が出席し、第一項の場合においてはその四分の三以上の者の、前項の場合においてはその過半数の者の同意がなければならない。

普通は不信任決議をすれば市長が議会を解散するだろうから、不信任決議→議会解散→議会選挙→反市長派が多数派→再度の不信任決議をいう順序をたどらなければならない。これは道のりが遠い。

 最後の手としては、住民が自らの手で首長を解職する方法だ。いわゆるリコールというやつだ。
地方自治法
第八十一条  選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一(その総数が四十万を超える場合にあつては、その超える数に六分の一を乗じて得た数 と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数)以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該普通地方 公共団体の長の解職の請求をすることができる。
○2  第七十四条第五項の規定は前項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数(その総数が四十万を超える場合にあつては、その超える数に六分の 一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数)について、同条第六項から第八項まで及び第七十四条の二から第七十四条の四までの 規定は前項の規定による請求者の署名について、第七十六条第二項及び第三項の規定は前項の請求について準用する。

有権者の三分の一の署名が要件ということだろう。非常に厳しい要件だが、近いところでも、合併問題で町民の意向を無視した滋賀県安土町や市立病院の閉鎖問題で市長が批判された千葉県銚子市でリコールが成立して出直し選挙をやった例がある(他にもあるかもしれないが知らない)。住民のやる気次第、ということだろう。

 結局、いくら市長がひどくても、阿久根市の市民の問題、という結論。外野は何も言う権利がない。当たり前といえば当たり前だが。
posted by ナベテル at 18:40| Comment(1) | TrackBack(0) | 行政事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本当に竹原市長だけが悪いのですか?
Posted by 質問 at 2010年12月30日 17:56
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