日本郵政、非正規の半数10万人を正社員に
3月17日14時30分配信 読売新聞
日本郵政は17日、グループで計約20万人の非正規社員のうち約10万人を、2010年度から3〜4年かけて正規社員に登用する方針を固めた。
亀井郵政改革相が日本郵政からこの方針の説明を受けて了承し、同日、鳩山首相に伝えた。非正規社員の雇用の安定につながる一方、年間で最大3000億円のコスト増になるとの試算もあり、収益力のさらなる向上を迫られそうだ。
日本郵政は従業員約43万7000人のうち、非正規社員が約20万4000人と半数近くを占める。亀井郵政改革相は「小泉改革路線」を見直す象徴として、日本郵政側に対し、非正規社員の正規採用を求めていた。
これを受け、日本郵政では、正規社員と同様の勤務実態で、正規雇用を希望する約10万人を登用することにした。大量の採用にともない、郵政民営化で廃止された社内研修機関「郵政大学校」を復活させて、採用に関する選考や研修を再開する方針だ。
ただ、正規社員とすることにより、グループの人件費が年間2000億〜3000億円程度増えるとみられる。09年3月期連結決算の経常利益8305億円の4分の1から3分の1にあたる。
また、日本郵政は経営改革の一環として、官僚OBが役職員で在籍するなどしている「ファミリー企業」157法人について、必要な企業は子会社化し、それ以外は取引をやめる方針を決めた。さらに、郵便局などで使用する事務用品の調達について、東京一括調達から、原則として地方調達に切り替える。
これ、とてもいい提案だと思う。最近、うちの近所に来ている配達員もなんか若くて頼りない感じの人だ。あの人も非正規なんじゃないか、と思って心配していたところだ。
読売の記事は、非正規を正規に登用することで人件費が2〜3000億円増えて、8500億ある経常利益を圧迫するようなことが書かれている。しかし、それで何か問題あるか?と思ってしまう。もともと、郵政事業で利益を出さなければならない話はどこにもない。むしろ、100%政府出資の国営企業が非正規職員を酷使して利潤をむさぼる方が異常事態なのではないだろうか。
今、日本は若い人を中心にとにかくお金が無くて、消費もしないし結婚もできない、子供も作れない、という悪循環がとっても分かりやすい状態になっている。ちょうど同じ日に関連する記事が出ていたので一緒に紹介してしまう。
「非正規」男性、結婚に困難=子どもの有無も「正規」と開き−厚労省
3月17日16時27分配信 時事通信
2008年までの6年間に結婚した独身男性の割合は、正規社員より非正規社員で低く、約1.8倍の差があることが17日、厚生労働省が公表した「21世紀成年者縦断調査」で分かった。
子どもを持った割合も約2.6倍の開きがあり、雇用形態の違いが結婚や出産に与える影響の大きさが改めて浮き彫りとなった。
同省は少子化対策の一環で、02年10月末時点で20〜34歳だった男女を追跡調査しており、今回が7回目。
02年の調査時に独身だった男性約4000人のうち、6年間で結婚したのは正規社員が32.2%だったのに対し、非正規17.2%。子どもが生まれたのはそれぞれ12.8%、4.8%だった。
結婚の割合は収入に比例して高まる傾向があり、年収400万円台の男性は26%だが、100万円未満では8.9%にとどまっている。
また、子どもを持つ意欲と出生の関連では、夫婦ともに望んでいた家庭の68.3%で子どもが誕生。両者とも「欲しくない」としたケースでは5.5%だった。
子どもが生まれた割合は、夫だけが望んだ場合は24.1%。妻だけだと11.6%で、夫の意向に左右される傾向が見られた。
今までは、郵便局という公的機関すらがこういう動きを助長してきたのだ。日本郵政の決断は、こういう社会の中で一番なされるべき所をしっかりやった政策なのではないだろうか。社会全体がこういう方向に転がっていくと良いのだが。