2010年07月24日

社会保険庁の分限免職問題で提訴した感想

 旧社会保険庁の職員が分限免職処分(民間の整理解雇みたいなもの)されていた事件で、今日、京都地裁に集団提訴してきた。
元社保庁「解雇」職員、初の集団提訴 
日本経済新聞2010/7/23 20:12

 昨年12月末の旧社会保険庁廃止に伴い、民間の解雇に当たる「分限免職」処分となった旧社保庁の元職員15人が23日、国に処分取り消しを求めて京都地裁に集団提訴した。元職員が分限免職処分を巡って集団提訴するのは初めて。今後、全国に広がる可能性もある。

 訴状では、(1)旧社保庁の後継組織、日本年金機構で1千人超の民間人を採用したのに元職員を分限免職処分とする必要性はない(2)国は分限免職を回避する努力義務を怠った(3)過去の処分歴を実質的な理由とする不採用は違法な二重処分だ――などと主張している。

 提訴を支援する全厚生労働組合は「年金記録問題などの制度的・組織的な責任を職員に転嫁し、身分まで奪うのは許せない」としている。

 年金記録をのぞき見したなどで懲戒免職を受けていた元職員ら525人は昨年末、日本年金機構などに移れず、分限免職処分で失職した。法律などで身分が保障された公務員の大量解雇は終戦直後を除き過去に例はない。

 杜撰な年金行政に対する国民の怒りはとても強い。それは保険料を納めた者の権利として当然だと思うが、全体としては「誰か」に上手く誘導されてしまって、問題の本質とは関係なく、「生け贄」にされた個々の職員が袋だたきの状態になっている。それで年金の様々な問題が解決するわけでもないのに。

 そういう世論の批判の矢面に立つのは、「代理人」という立場ですら、正直辛いものがある。しかし、嵐のような世論に耐え、中には精神を患いながらも、自分が生まれる前からあった(年金記録の杜撰な管理は1950年代から指摘されていたことだ)年金記録問題に、昼夜を分かたず必死に立ち向かっていた人たち、そうであるにも関わらず、「生け贄」にされた人たちの無念に向き合ってしまうと、俄然、火が付く自分がいるのもまた確かだ。

 さて、上の記事だが、間違っている箇所がいくつかある。分限免職処分された525人の中には、処分歴が全くない人も相当数含まれている。あと、懲戒処分は受けても、懲戒「免職」はされてないと思うぞ。

 処分歴がある人でも、処分自体がでっち上げに近いものである人も多い。代表的には「のぞき見」による処分だが、カードを事実上共有して使っているような状況で、自分のカードで他人が「のぞき見」したことで責任を問われた人も多い。そもそも「のぞき見」といっても情報を外に漏らしたわけでもない。職場でその種の「のぞき見」禁止が徹底されていたわけでもない。もちろん、「のぞき見」自体は是正されなければならないが、そんな厳しい規律で人を裁いていたら、民間の職場だって、処分の連続で崩壊するだろう。

 そういうことで「問題職員」を仕立て上げて、税金で養成した専門家を「生け贄」として職場から排除することは、まさに税金の無駄に他ならない。年金記録問題は超複雑な世界だ。専門家は記録の統合作業に当たって頂くのが一番、国民の為になるのだ。

 この裁判、苦しい闘いになっていくと思うが、頑張ろうと思う次第。
posted by ナベテル at 02:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 労働問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も分限免職になった一人です。

ご存知だとは思いますが業務外閲覧に関しては当時は内部規定ですら禁止されていませんでした。
情報漏えいは当然禁止ですが。

それを過去1年に渡っての検索の中で
有名人がいたどうか自己申告させて
自己申告しなかったのが上司からの業務命令違反だとしての懲戒処分だったわけです。
閲覧行為自体ではなく、虚偽の申告をしたという。
ちなみに覚えてない人間が大半だったと思いますが
調査票には覚えていないという項目はなく
閲覧した・しないの二択。

指摘されている他人のカードでの問題もありますし
昔から電話の量は一日数十件は受けている中で
同姓同名やましてや自分が知らない地元議員などからの問い合わせがあったか
さらに業務である証拠となる届出書類があったのか
証明するのは極めて困難ですし、同姓同名1年前の事などは覚えているはずもありません。

当時一番多かった懲戒処分が戒告。
他の官庁で見た場合、国土交通省の人間が
業務時間中に業務用のPCを使い出会い系
サイトに書き込みしていた件での処分が戒告。
こんなものと一緒とはと呆れてしまいます。

また、延滞金の勝手に免除問題。
明らかにこれは内部規定どころか違法行為については
年金機構が発足が差し迫ってる中で民間人採用が終わった後に
さらに不採用が増えると困るので訓告処分(懲戒処分にはあたらない)で済まされています。

このように分限免職以前の懲戒処分等自体が
極めて恣意的に国の都合の良いようになされてきました。

あとはまた閲覧の話に戻りますが
自己申告後の聴取で認めた場合(当時の状況で行為がなくても認めざるを得なかった場合も多数)
について懲戒処分が行われたわけですが
実際閲覧していても認めなければ厳重注意で済んでいたようです。つまり雇用問題には発展しない程度のもの。
このように調査自体がびっくりするほど杜撰で処分のための調査でした。

話題にもならなくなりましたが
本庁で書籍の監修料をプールしてタクシー代や飲食代に使っていた件
これも当時十数人が戒告処分されていますが
全く話に出てこないということはおそらく厚生労働省に配置換えされて免職にはなってないのですね。

何か問題が起こった場合は上層部幹部が責任を取るべきですが全く取らずに地方の末端の職員に責任を押し付けたこの結果は許せないので頑張ってください。

保険料横領などを除きほとんどの問題がそうですが
私利私欲のためではなく、制度上を不備を補うためになされた実務上のものです。
歴代厚生大臣が地元にグリーンピアを建設して地元土建会社を潤わせて年金利権の甘い汁を吸ってきたわけですが

末端の職員などは甘い汁どころかサービス残業の嵐で年金機構不採用が閣議決定された後でも一つのところに行けないだけで他省庁等いくらでも行き先はあると騙されてこき使われた結果が昨年末の大量分限免職です。
Posted by N at 2010年07月24日 08:35
なしか
Posted by レス at 2010年08月23日 18:56
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