2014年06月06日

政商納言・竹中平蔵の「ぱそな儲かりていとをかし」

【政商】(せいしょう)政府や政治家と特殊な関係をもって、利権を得ている商人。
【納言】(なごん)大納言・中納言・少納言の総称。ものもうすつかさ。のうごん。
【大納言】(だいなごん)律令制で、太政官の次官。右大臣に次ぐ高官で、公卿の一員として国政を審議し、可否を上奏し宣旨を伝達することをつかさどった。亜相。おおいものもうすつかさ。
(いずれも広辞苑より)

学者としての業績は???
 竹中平蔵の学者としての業績をネットで検索しても、あまりいい話は出てこない。ウィキペディアの「竹中平蔵」の項目を見ても、学者として良い話はほあまり書いていない。慶應大学湘南藤沢キャンパスのホームページの「研究業績」を見ても、竹中の業績は3つしか記載がなく少なさが際立っており、かつ、直近の著作が2009年と5年も前の話だ。ぜひ、下記で他の研究者と比べてみて欲しい。
 慶應義塾大学SFC研究所「研究業績」
 また、下記のようなブログも発見した。
「日本がアメリカ化したら最も困るのは竹中平蔵?」

 一方、2007年より人材派遣会社パソナの取締役となり、現在は取締役会長であるらしい。同社のホームページでも、最近何かと話題の南部靖之代表と並んでものを語っている(→こちらを参照)。

政府の審議会に入り込み政商として辣腕を振るう竹中平蔵
 人材派遣会社であるパソナ会長としての竹中平蔵の役割はただ一つであろう。労働者保護のための労働法制を規制緩和し、労働者を使い勝手の良い“商材”に仕立て上げることだ。現在、竹中平蔵は政府の審議会である「産業競争力会議」の委員となり、労働法制の緩和のために辣腕を振るっている。
その1 派遣労働者の大幅拡大の目論見
 現在、国会には、労働者派遣法の改悪法案が提出されている。今国会での成立は微妙だが、秋の臨時国会では、鋭いテーマとなるだろう人材派遣会社にとって、言うまでも無く、派遣労働者は主力の“商材”だ。しかし、派遣労働は労働者の保護が弱いため、建前上は、一貫して例外的な労働形態とされてきた。もし、今回の派遣法改悪が実現すれば、今の直接雇用に変わって「労働者派遣が普通の働き方」になるだろう。詳しくはブラック企業対策弁護団代表の佐々木亮弁護士の記事を参照頂きたい(→こちら)。竹中平蔵は、この改悪の旗振り役である。
その2 職業紹介業務の民間開放
 今年の9月からハローワーク(公共職業安定所)が保有する求人情報を民間企業(要するに人材派遣会社)が共有できるようになった。来年には求職情報も開放される予定だ。人材派遣会社にとってはまたとないビジネスチャンスだろう。
 奇しくも昨日、安倍首相が「国家公務員の10%減」を打ち出したそうだが、その際、公務員が担っている業務の多くが無理矢理“民間開放”されて外注に出され、外注先は大量の非正規労働者を使って業務を処理することになるだろう。というのも「10%減」自体が無茶苦茶な数字で、スケープゴート無しには達成できないのではないか、と思うからである。小泉改革で「公務員5%純減」の方針が出された後、第一次安倍政権下で社会保険庁(正規職員は約1万3000人、非正規職員は約7000人いた)を解体する法律が作られ、正規職員1000人が免職された後、現在、年金業務は、日本年金機構の正規職員1万0880人と将来年金を貰えるかどうかも分からない約1万人の非正規職員、そして業務外注先の、これまた将来年金を貰えるかどうかも分からない大量の非正規労働者によって支えられている。これは確実に先例となるだろう。
 外注先の非正規労働者たちの職業紹介は人材派遣会社の草刈り場となる可能性がある。そして、今回の場合、そのうち、ハローワーク不要論が不自然に盛り上がり、解体され、ハロワ職員が大量に免職され、民間の職業紹介のお世話になるんじゃないかという嫌な予感がしている(なお、公務員をやっているような人は民間の事務労働者としては極めて優秀な人が多く、首を切られた人たちも派遣業者の“商材”となりうる)。
その3 その他人材会社のお手盛り政策
 もう多くは語るまい。
 日刊ゲンダイ:竹中平蔵氏が旗振り 人材会社を潤わす「300億円」助成金
 Business Journal:安倍政権の女性登用推進、発注先に政府関係者の関連企業が複数 麻生、竹中…新たな利権か
その4 残業代ゼロ制度を強力に推進
 産業競争力会議は「残業代ゼロ」制度も強力に推進している。この制度については散々懸念が表明されている。例えば上西充子・法政大学教授の論考を紹介しておく。
「「残業代ゼロ」案、「全労働者の1割」と「ホワイトカラーの1割」は違うよ?」
「なし崩しに進みかねない労働時間規制緩和」
 残業代ゼロ制度は、人材派遣会社にとっては“商材”である派遣労働者の調達コストの大幅なダウンを見込める。そして、残業代ゼロ=労働時間規制の撤廃であり、これが過労死促進法案と言われる所以でもあるが、この点について、竹中平蔵は東洋経済の取材に対して「それは労働基準監督署の機能強化が必要な問題で別の話。それこそ厚生労働省が頑張れと言いたい。」とうそぶいている(記事はこちら)。
 しかし、現在、労基署の職員数はもはや極限まで削減されている。筆者が担当している某労災案件では、労基署の労災課の課長が自ら労災認定手続をやっていた(しかも、あれ、他の課員いないんじゃないか?)。今、労働局も、労基署も、どこへ行ってもなんだかがら〜んとしていて、人口密度の低い印象を受ける。竹中平蔵は小泉改革のときの公務員削減にも関わっているはずであり、上記安倍首相の公務員削減計画を知らなかったとはあまり思えない。
 このように、竹中平蔵は、審議会の委員として、労働者をまとめて猛獣が歩き回るサバンナに放り込むような政策の旗振り役を担っており、都合の悪いことは平気でシラを切る。それによって、パソナ取締役としての業務を立派に遂行しているのである。そう、竹中平蔵は、立派な政商なのである。

海外では・・・・

 イギリスでは、国民を騙してイラク戦争に参戦したブレア(Blair)首相は「B.lair」(嘘つきB)とレッテルを貼られて散々批判され、政権陥落の一つのきっかけともなった。

 フランスでは、シラク大統領が国営放送のテレビ番組でスーパーマンの格好をさせて「スーパーマントゥ」(フランス語で「大嘘つき」という意味らしい)とからかわれた(もっともその後の大統領選挙では極右のル・ペンが躍進して第一回投票で二位になってしまったので、決選投票の時期には超良い人扱いだったらしいが)。

 責任をもって政治に携わるものが嘘をついたときに「嘘つき」と罵倒されるのは民主主義の国ではむしろ普通なのだ。竹中平蔵ほど、業界の利益を代表している人間が、政府の重要な役職につき、あたかも学者であって客観的な立場であるかのような扱いを受けることは不思議と言うほか無いし、上記のようにシラを切ってる(というか嘘をついてるのではないのか)のは当然追及を受けるべきだろう。しかし、日本では、そういう「嘘つき」という批判をすると、何故か批判をする側が下品ということになる。力を持つ者に甘いことばの文化は如何ともし難いが、まあ、それも一つの文化であろう。そうなら、もっと日本的にみやびにやろうではないか。

提案
1 竹中平蔵を「学者」と呼ぶのは止めよう。
2 政商であり、政府の審議会委員でもある竹中平蔵を「政商納言」と呼ぼう。
3 ついでに“民間”の立場から叙勲してあげよう。
   竹中平蔵
   正三位 政商納言に叙する。
   平成26年6月6日
   あなたによって被害を受ける“民間”有志

2014.6.6 分かりやすくするために若干追記しました。
posted by ナベテル at 13:53| Comment(4) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
がんばってください
Posted by at 2014年06月06日 22:39
応援しています!
Posted by at 2014年06月07日 14:18
政商納言は、ピッタリです長年の溜飲をさげます。やっと健康になります。
Posted by 中山良一 at 2014年06月07日 18:30
本当に学者(研究者)として活動しているのなら,「利益相反」についてはっきりさせる義務があるはずなんですよね.
研究業績の件といい,発言に箔を付けるために学者の肩書きを利用していることがよくわかります.
Posted by 育野 at 2014年06月16日 17:46
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