2014年06月23日

自民党は鈴木あきひろ都議の会派離脱で責任回避できるか

 先週末から「S都議」などと報道されていた自民党の鈴木あきひろ都議がついに謝罪の記者会見を開いた。てっきり、議員辞職くらいするのかと思ったら、東京都議会の自民党の会派を離脱してお仕舞いなのだそうだ。

1 会派離脱の意味
 筆者が軽く調べた範囲では、地方自治体の議会について、法律で「会派」という概念はない。東京都議会の議会会議規則の126条にわずかに「各会派」という概念があるのみである。この点、東京都議会のホームページでは「都議会も国会と同じように、「会派(政党)」を中心に活動しています。政治上の主義や政策を同じくする議員が集まり、政治活動を行うことを目的として、議長に会派結成届を提出している団体を「会派」といいます。 」との記載があるので、都議会の議長に、鈴木氏が「オレ、東京都議会自由民主党から離脱しますわ」と届出をすれば終了である。
 もちろん、会派離脱によって活動に制約がかかる可能性はあるが、今後も自民党と共同して行動できるし、次回の都議選で自民党が鈴木氏を公認することも何ら問題ない。
 そもそも、国政レベルでは同じ政党に所属しているはずの人たちが、東京都議会では最近まで「みんなの党」と「都議会みんなの党」で別の会派に分かれていたようなので(今は「都議会結いと維新」と「みんなの党 Tokyo」になったようだが)、都議会の「会派」という概念はそれくらい緩いものなのだ。
 会派を離脱したからといって、有権者や国民との関係で何らかの責任を取ったことにならないことは明らかだろう。

2 で、自民党はどうするのさ
 選挙で公認した議員である以上、鈴木氏には自民党の党籍があるはずであり、党の規律に服するはずである。そして、鈴木あきひろ氏は自民党を離党したのだろうか?また、自民党は鈴木氏の離党届を受理してしまったのだろうか?まさかそれはないよね。そうであれば発表するはずだ。
 そして、自民党には組織として当然ながら「党則」をもっており、下記のように定める。
第九十二条 党員が次の各号のいずれかに該当する行為をしたときは、党規律規約の定めるところにより、処分を受けるものとする。
一 党の規律をみだす行為
二 党員たる品位をけがす行為
三 党議にそむく行為

 さらに自由民主党規律規約ではまず以下のように格調高く党の規律を定める。
第五条 党員は、党議を誠実に実践し、規律と品位を重んじ、日常生活を通じ、党と国民との間にあって常に紐帯的役割を果たし、国民の信頼を高めるとともに、党勢の拡張に努力しなければならない。

 その上で、規律規約第九条で処分について以下のように定める。
第九条 党員が次の各号のいずれかの行為をしたときは、処分を行う。
一 党の規律をみだす行為
(省略)
二 党員たる品位をけがす行為
(イ)汚職、選挙違反党の刑事事犯に関与した行為
(ロ)暴力行為
(ハ)その他党規律委員会において党員たる品位をけがすものと認めた行為
三 党議に背く行為
(省略)

 そして、処分の量定に関しては、同じ第九条の二項、三項で
2 党規律委員会が行う処分の種類は、次のとおりとする。
一 党則の遵守の勧告
二 戒告
三 党の役職停止
四 国会及び政府の役職の辞任勧告
五 選挙における非公認
六 党員資格の停止
七 離党の勧告
八 除名

3 幹事長が行う処分の種類は、次のとおりである。
一 党則の遵守の勧告
二 戒告
三 党の役職停止
四 国会及び政府の役職の辞任勧告

 あれ、規律委員会を開催しなくても、石破幹事長が処分を下せるんだ!へー。で、鈴木氏は当然今でも自民党籍があるだろうし、党員たる品位をけがしまくって、党と国民の結びつきを切り裂きまくってるのは間違いないですよね??

3 自民党もまだ終わってないぞ
 このエントリは鈴木あきひろ都議が自ら取るべき責任については検討しない。また機会があればやろうと思う。
 しかし、自由民主党が鈴木氏を都議会の会派から外しただけで、責任逃れできると思うのは大間違いである。
 まず、報道によると、複数の都議がヤジを飛ばしており「産めないのか」発言の主(仮にXとでもしておこう)については、まだ発言者が特定されていない。鈴木氏だけスケープゴートにすれば済む問題ではない。自民党は、党の責任で発言者を特定すべきである。
 そして、日本国の政権与党である自由民主党が、自らの党員であるXと、鈴木氏について、自らの党則、規律規約に基づき、どのような処分をするのかが問われているのである。
 現在、安倍政権は女性の社会進出を政策として掲げるが、実際は、残業代ゼロ法案や、労働者派遣法改悪案など、労働法制で守られた労働者の地位を破壊し、貧困化させて、女性が社会進出せざるを得ない社会を作ろうとしている。一方、待機児童問題しかり、認定こども園しかり、保育に関する政府や自治体の責任を放棄し、予算を削減することばかり考えている。こんなことで少子化対策ができると本当に思っているのだろうか。
 そういう自民党が、鈴木氏とX氏をどこまで処分できるのか。これこそが論点であり、目下の見所なのである、と感じている。石破幹事長、火の上の鉄板に座っているのは、あなただ。

2014.6.23 23:10追記
 記者会見の最後の方でもろに出てた。会派を離脱しても、トカゲのしっぽ切りにすらなっていないのだ。
【全文】「塩村議員に早く結婚して欲しかった」 鈴木章浩議員”セクハラヤジ問題”謝罪会見書き起こし
記者:会派を離脱されるということですけれども、自民党の籍はそのままっていうことで宜しいんですか?
鈴木:とりあえず今の段階ではそのようになっております。

2014.6.24 11:50追
麻生総理も週末に爆弾発言をかましてるのでセットで書きました。良ければこちらもどうぞ。
「女性差別発言の陰で華麗にスルーされつつあるアホウ元総理のいじめ発言」
http://nabeteru.seesaa.net/article/400173843.html
posted by ナベテル at 19:11| Comment(1) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鈴木章浩の件ですが、皮肉な意味で私は何の落ち度もないと思います。理由はただひとつ、自民党所属の議員だからです。事実、首相・安倍(あんばい)晋三の支持率が高いから、高市やローゼン麻生、石原伸晃(ヤクザ長男)の「問題発言」も、日本国民&大マスコミは寛大だったではありませんか。だから、鈴木も許されることでしょうね。衆愚!
Posted by 杉原シンドラー at 2014年06月26日 12:01
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