2010年03月16日

朝鮮学校も無償化の対象にすべきだ

 すでに少し時間が経った話題だが、先週の金曜日に高校の授業料を無償化する法律案が衆議院で可決された。

 これによると、朝鮮学校について支給対象にするかどうかは、法律を施行した後で考えるそうだ。そんなことできるのかいな、と思って衆議院で可決された条文を調べると下記のようになっている。
第一七四回閣第五号
公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案

第二条 この法律において「高等学校等」とは、次に掲げるものをいう。
 一 高等学校(専攻科及び別科を除く。以下この条及び第四条第三項において同じ。)
 二 中等教育学校の後期課程(専攻科及び別科を除く。次項及び第四条第三項において同じ。)
 三 特別支援学校の高等部
 四 高等専門学校(第一学年から第三学年までに限る。)
 五 専修学校及び各種学校(これらのうち高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学省令で定めるものに限り、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校以外の教育施設で学校教育に類する教育を行うもののうち当該教育を行うにつき同法以外の法律に特別の規定があるものであって、高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学省令で定めるもの(第五条及び第七条第一項において「特定教育施設」という。)を含む。)

 今度の法律案では「高等学校等」と認められると、授業料の不徴収とか就学援助金の支給という権利を取得できる。
 ところで、在特会が京都の朝鮮学校を襲撃したときに騒ぎ立てていたことだが、朝鮮学校は学校教育法にいう「各種学校」の扱いにさせられている。
 この各種学校が「高等学校等」となるのは、法案第2条1項5号にあるように「これらのうち高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学省令で定めるもの」に限られる。法律的には、朝鮮学校を外す、というより、省令で定めない限り無償化の対象に含めない、という体裁を取っているのだ。
 文科省令は法律を作った後でも文科省の判断で変えることができるから、そこで省令を定めるか否かでさじ加減をしようということなのだろう。

 朝鮮学校を無償化の対象から外そうとする議論は、産経新聞の社説が典型的で分かりやすい。

 この記事をよく読むと分かるが、日本にある朝鮮学校で金日成、金正日の個人崇拝教育が実際に行われている、とはどこにも書いていない(個人崇拝の主体は「北朝鮮では」となっていて「朝鮮学校」とは書いてない)。そして、運営面で北朝鮮政府の影響下にあることが指摘されているが、これは産経新聞が勝手に言っているだけで事実かどうかは分からない。産経新聞は飛ばし記事をよく書くので信用できない。結局、事実として指摘されているのは、朝鮮学校に金日成らの肖像画があることくらいだ。

 はっきり言っておくが、僕は金日成も金正日も大嫌いだ。今の北朝鮮を見ると、65年前の日本の軍国主義を見ているようで、そういう体制を作り出している張本人を好きになれるわけがない。金日成の肖像画を掲げることと民族教育がどう繋がるのかもよく分からない。

 しかし、その上であえて言うのだが、仮に朝鮮学校が実際に金日成らの崇拝教育をしていたとしても、そういう学校を無償化の対象にしてはいけないのだろうか。人にはいろいろな考え方があるし、どれが当たっている、とか外れている、ということはなかなか答えがない。特に教育の場では思想に白黒をつけるのは難しい。現に日本の高校の中でも「創価教育」をやってるところもあれば、明治以降のバリバリ国家神道の系譜の神道をベースにして教育をやっている高校もある。こういうところも就学援助金の対象になるはずだ。

 そういうものの中から特定の気にくわないものを選び出して、国費支給の対象から外すことの方が、危険な考え方のような気がしてならない。朝鮮学校の教育だって、日本にとってプラスに働くか,マイナスに働くかすら容易には計算できないはずだ。もっと、懐を広く物事を考える必要があるのではなかろうか。
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2010年03月06日

橋下府知事の下の2008年度実は赤字だった

 「ねっとわーく京都」の4月号を読んでいて面白かったのが逢坂武士さんの「関西寅の刻NEWS」。橋下府知事の赤字隠しとワンマンな大盤振る舞いの話だった。

 橋下府知事が選挙公約に掲げていた政策はほとんど反故にされていて跡形が残らなかったのに大阪府民はなぜか橋下を支持し続けたし、マスコミも橋下をあまり批判しない。そして、公約を破り、その後も画期的な施策をしてるという話がない(もっとも、今のご時世でそんなに画期的なことをやること自体が難しいのでこれをことさら批判するのは酷だと思っている)橋下府知事の「実績」として水戸黄門の印籠のように出てくるのが「大阪府の財政を黒字化して再建した」というものだ。

 しかし、この「財政再建」が悪質な赤字隠しによる虚構だったことが明らかになってきた。上記記事を引用すると「大阪府は、2008年度、育英会など5法人に対し、1193億円を貸し付けていたが、年度末の3月31日に一旦邦人側から全額の返還を受け、新年度の翌4月1日に1153億円を改めて貸し付けていた。邦人側は2日間のつなぎ融資を金融機関から受けてしのぎ、利息750万円は府と法人が負担。こうして予算上、歳入と歳出の帳尻を合わせて財政不足を隠す工作を毎年繰り返し、長期を短期貸し付けに切り替えてきた。」のだという。
 この記事は産経新聞の記事で補足するともうちょっと全体像が見えてくる。

こういう不正操作をしなければ、実際には大阪府の財政は2008年度でも850億円の赤字だったという。橋下府知事は「どこの自治体でもやっていることだが、こういう手法を許す公会計制度がおかしい」と開き直っているようだが、そういう問題ではない。橋下府知事はマスコミを上手く操作して人気を盛り上げるのがお得意だが、「財政再建」というマスコミ好みの「実績」が虚構だったということは、その成果を大々的に報道してもらうことで得た今の「橋下人気」も虚構によって支えられている、ということではないのか。こういう虚構はどんどん暴いていく必要がある。

 そのための手段を一つ提案したい。前々から色々な場面で指摘している住民監査請求だ。この案件では、上記のように赤字隠しのために無駄な税金が最大750万円も使われている。これについて、情報公開をして支出権者を特定し、住民監査請求→住民訴訟で責任追及するのだ。橋下府知事が関与していれば、当然、その責任も追及することになるだろう。
 問題は、期限が迫っていることだ。支出行為があったのはおそらく、2009年4月1日。あと1ヶ月もない。例外はあるが、支出行為を問題にできるのは行為後1年間だ。早急に動く必要があると思う。
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2010年02月28日

橋下知事の府市再編を批判する

 最近、橋下徹大阪府知事がさかんに「府市再編」を言い始めた。そして、その動きに同調しない大阪市長を盛んに攻撃している。またお決まりの「単純な構図+反対者は敵」手法だ。こういう下劣なやり方は「小泉劇場」でとっくにウンザリしているし、他人の二番煎じで人気者気取りのこの人の頭の軽さとそれを許容(というか歓迎)する今の世相が心底疎ましい。

 で、それだけ言っていてもただの感想なので、「府市再編」についてちょっと検索してみたのだが、内容がほとんど分からない。ちょっと検索した範囲で出てくるのは
@大阪市下の区を特別区にして区長公選制導入
A統合後の大阪市府の庁舎はワールドトレーディングセンターにする。
B府市で水道を一本化
C市立大学、府立大学を一本化
D大阪市営地下鉄を民営化
くらい。A〜Dは府市を再編しなくてもよくよく議論すれば協調してできることだろう。「府市再編」などと大仰なことを言う問題ではない。Dはまるっきり大阪市の問題だ。
 結局、重要なのは@だろう。要するに大阪市解体論だ。大阪市を解体して、府知事である自分の下に強大な権限を集中しようと言っているだけなのだ。権力者が自分に権力をよこせ、と堂々と言うのにはよくよく注意する必要がある。

 さらに、この府市再編問題を見ていると、この構想が関西州(道州制)構想と結びついているのが何となく分かる。

府市再編 橋下知事「ひとつの大阪」Vs「大都市圏州」市長
2月22日15時23分配信 産経新聞

 橋下知事の提案では、府と市町村を広域行政体と基礎自治体に再編。空港や港湾といった広範囲にかかわる事業は広域行政体が担当し、住民サービスは人口30万人規模の基礎自治体が行うという。大阪市をなくし、東京のような特別区をつくる「大阪都構想」が底流にあり、統一庁舎は府が購入したWTCに設置。市役所の建物をオペラハウスなどとして活用する構想まで披露している。

 WBCは橋下知事が関西州の拠点にする、と言っていた施設だ。そこに再編後の大阪府の拠点だけ持ってくることはないだろう。まずは大阪市を解体して財源を大阪府に集中する。そして、自分の求心力(発言力)を強めて、近畿の各府県の枠を解体し、関西州にする。そして、自分は関西州知事になる、という構想の一環なのだろう。そして、関西州下の「基礎自治体」は30万人程度の大きさを想定している、ということだろう。
 これって、橋下独自のプランではなく、財界を中心に出している道州制のプランそのものだ。そして、自分は財界のプランに乗っかって関西州のトップになって「国と渡り合える」権力が欲しい、というビジョンにしか見えない。
 
 今、「平成の大合併」で自治体が巨大化したことによる歪みが全国で出ている。職員が足りなくて、地域に密着した施策ができなくなっている所もあるという。橋下の言い分は、そういう事態に対する検証は何もない。小さくてもきらりと光る自治体をどう作るか、地域密着の行き届いた施策をどう実現するか、なんてボトムアップの発想はまるでない。結局、橋下構想の根底にあるのは、地域の住民も、その力もバカにして過小評価し、自分が強大な権力者になって「善政」を施してやる、という発想に思えてならない。

 僕は、こういうおつむの軽い人に強大な権力は与えたくないし、まして、京都府や京都市がそんな「関西州」に参加することには大反対だ。橋下は、来年の統一地方選挙に向けて橋下新党を作ると言っている。他府のことながら、こういうアホな構想を遂行するための新党作りはどんどん批判していかなければならない、と思うのだ。
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2010年02月24日

日経がネットで有料配信の試み

 日経新聞がネット上で記事の有料配信を始めるようだ。本誌購読+1000円か、また、4000円払うと、ネット上で全ての記事を読めるようになるらしい。
 その心は、「良質な情報はタダではない」ということらしい。
日経を丸ごと読める「Web刊」、単体月額4000円で 「良質な情報はタダではない」
2月24日18時16分配信 ITmedia News

●新聞不況に一石を 「良質なコンテンツはタダではない」
 新聞の発行部数が減り続け、2009年はネット広告が新聞広告を抜くなど、紙の新聞をめぐる状況は急速に悪化している。一方、新聞各社が提供している無料のWeb版は収益面で紙の新聞に遠く及ばず、業界に危機感が募っている。

 「良質なコンテンツはタダではない。本当に価値がある情報や機能には、それにふさわしい対価をいただきたい」――有料のWeb版を提供することで、「ネットの記事はタダ」という常識を覆し、新聞不況を脱する一石にしたい考えだ。

 インターネット上には各社のニュースが沢山流れていて、みんなただで読めるのが現状。しかし、本来は、新聞社が資本と人を投入して作った記事を何から何までただで読める、というのも変な話だ。こういう、何から何まで無料にしてしまうインターネットの現状が、かえって技術やサービスの進歩を妨げる、という意見は前からある。僕自身もそういう思いはもっていて、何かおかしい気がしていた。だから、日経新聞の試みをおかしなものだとは思わない。
 ただ、インターネット上の情報提供に課金するシステムは多くの人が試みて、その中の多くの人は挫折している。課金するシステムがなく、他の新聞社は相変わらずタダで情報を提供する(産経新聞は特にそういう戦略のように見える)なかで、また、情報発信源としての新聞社の優位性が相対的に低くなっていく中で、日経新聞の試みがどうなるのか、注目したい。
posted by ナベテル at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月19日

鳩山首相の内部留保課税発言の波紋

 今朝の新聞はちゃんと読まずに出てきたので、僕は知らなかったのだが、国公一般のブログ「すくらむ」の記事を読んだら、昨日、鳩山首相が大企業の内部留保への課税に言及したらしい。
 速報記事はこんな感じ。
企業内部留保への課税検討=首相、共産委員長に表明
2月17日18時37分配信 時事通信

 鳩山由紀夫首相は17日午後、共産党の志位和夫委員長と国会内で会談し、経済政策などについて意見交換した。同党によると、志位氏が「大企業の内部留保が日本経済の成長力を損なっている」と指摘したのに対し、首相は「内部留保に適正な課税を行うことも検討してみたい」との考えを示した。
 また、志位氏が「国民の所得格差が広がっている」として、高額所得者への課税強化のため、所得税の最高税率引き上げや証券優遇税制を見直すよう要望。首相は「政府税制調査会で検討できるのではないか」と答えた。 


 これを朝日新聞の首相記者会見記事で見るとこんな感じになる。
「最強の布陣でね、事業仕分け」17日の鳩山首相
【内部留保の課税】

 ――さきほどの共産党の志位委員長との会談で、大企業の内部留保への課税や所得税の最高税率の引き上げ、中小企業の優遇税制の導入検討について前向きな発言があったようだが、その真意と、政府税調の議題に載せるかなどスケジュール感を。

 「うん、具体的なスケジュール感があるというわけではありません。この、やはり志位委員長は『こっちの方が本当のQTみたいだよ』みたいな話されてましたけれども、実質、今の国民のみなさん、特に中小企業のみなさんの大変な窮状というものの中で、何か解決策はないかということで、いろんな案を持ってこられた。一つ一つ具体的に申し上げるつもりもありませんが、やはり、せっかく共産党さんが持ってこられた案ですから検討してみましょうということは、申し上げたのは事実です。いつまでにどうのということは申し上げておりませんが、松野官房副長官が基本的に引き取ってですね、その中で検討してみましょうということにはなっています」

 ――民主党としても前向きに?

 「民主党としてという話じゃありません。政府としてです。前向きということではなくて、前向きとか後ろ向きとかいうことじゃなくて検討してみましょうと、確かに中小企業のみなさんがたのお困りな状況というのは私もわかってますから、その中でいい案があればね、うん、当然どの政党がこられたとしても、いい案があれば採用したいと思うのは政府の当然考え方だと思います」


 財界の方は対応早く、17日の夜中には反発し始めた。
唐突な内部留保課税案=「競争力そぐ」と産業界反発
2月17日22時49分配信 時事通信

 鳩山由紀夫首相が17日、企業の内部留保課税を検討する姿勢を示した。日本経済が回復軌道に乗る一方、雇用情勢や中小企業の経営環境が引き続き厳しいことが背景にあるとみられるが、唐突な表明に現実味は乏しく、産業界からは「競争力をそぐ」と早くも反発の声が上がった。
 内部留保とは、企業の利益から法人税や配当金などを除いたもの。現行の税制では経営者の親族らが過半数の株式を保有する一定規模以上の特定同族会社に対し、留保金課税制度が適用されている。
 しかし、これには「二重課税」との批判が根強いほか、内部留保は設備投資の原資ともなるだけに「前向きな成長戦略を阻害する」(大手電機メーカー)、「本社を海外に移す動きが出かねない」(経済団体)と産業界の反発は強い。


 18日になると、官房長官まで火消しを始めた。
共産党の内部留保課税提案、首相は検討するとは言い切らず=官房長官
2月18日12時30分配信 ロイター

 [東京 18日 ロイター] 平野博文官房長官は18日午前の会見で、鳩山由紀夫首相が大企業の内部留保への課税見直しなどについて今後の税制改正で検討する意向を表明したとの報道について「総理は検討すると言い切ったとは思っていない」と述べ否定的な見方を示した。
 平野官房長官は「もともと、総理自身も中小企業の優遇税制については訴え、言及しているが、企業の内部留保に課税をかけるということは言っていない。共産党がどういうことで言われたか承知していないが、総理は発言に対して、税制として一般的に考えていかなければならないとして引き取ったのではないか」と説明した。
 18日付の日経新聞によると、共産党の志位和夫委員長は鳩山首相と17日に会談した際、大企業の過度な内部留保を雇用拡大に振り向けたり中小企業に還元すべきだと提案した。


 さらに、夕方には日本商工会議所の会頭まで火消しに回り始めた。
内部留保課税は「不適切」=国際競争力の低下懸念−日商会頭
2月18日17時5分配信 時事通信

 日本商工会議所の岡村正会頭は18日の記者会見で、鳩山由紀夫首相が剰余金など企業の内部留保に対する課税を検討すると表明したことについて、「企業の国際競争力という意味から考えて、不適切ではないか」と述べ、日本企業の国際競争力を弱めるとの懸念を示した。
 菅直人副総理兼財務相が3月から消費税見直しを含む税制抜本改革について議論する考えを示したことに関しては、「税制だけ、なかんずく消費税だけの問題として議論するのは良くない」と指摘。財政規律の維持や社会保障制度の見直し、成長戦略などと合わせ、「総合的に考えるべきだ」と語った。


 内部留保課税に対する財界の必死の反発は、かえってこの問題が財界にとってのウイークポイントになっていることを表している気がしてならない。
 今、日本経済はこれだけ苦しいのに、大企業は高収益を上げ続けている。これは派遣労働者や期間社員などの非正規労働者をはじめとする労働者や下請企業などに適正な対価を支払わず、大企業が激しい収奪をしているからだ。一方で、そういう大企業一人勝ちの構造は内需を激しく細らせていて、日本国内では物が売れなくなっている。典型的な例は、「トヨタで車を作ってる労働者はトヨタの車を買えない」現象だ。内需の現象は不況に拍車をかけ、大企業自身も益々苦しい立場に追い込まれていく。今、日本経済を再生するために内需拡大をしなければならない、ということは内外からさんざん言われていることだし、このままの状態を続けると当の大企業自体がやばくなってくることは財界人だって分かっているはずだ。かといって、個々の企業の経営者に、自主的に内部留保を還元するように求めるのは困難。僕だって、経営者や株主なら「ビタ一文出すもんか!泥棒!」と啖呵を切るだろう。

 内部留保への課税論は、広い意味で大企業が収奪してため込んだ利益に税金をかけて、強制的に国内に還元させてしまおう、という議論だ。今、力のある企業に課税すること(すなわち法人税増税)が世界のトレンドらしい。日本では「日本は法人税が高い」という議論がまことしやかに言われるが(そして確かに名目的な法人税率の上限は高いようだ)、課税対象を議論しない法人税率論は意味がないし、社会保険料等を含めた企業の負担は他の国と比べても決して重くはない、と言われる。鳩山首相の発言は、決して、的はずれなものではないと思う。

 それに対する日本の財界から政治家まで巻き込んだ総反論。甚だしい者は三つ目の記事のように「本社を海外に移す動きが出かねない」とまで言い始める。
 僕は経済は素人なので、かえって色々気にしないで言ってしまえる。そんなに本社を海外に移転したいならそういう企業はオオカミ少年になる前に「売国奴」の烙印を押してとっとと海外に追放してしまえ。日本企業は、日本の勤勉で精密な国民性が生み出したものだ。どんなに国際的に活躍している企業でも、所詮、日本企業だ。日本文化に根ざしたアイデンティティ無しには海外勢に太刀打ちできない。それに加え、優秀で忠実な従業員、「腐っても鯛」の巨大な市場。そういうものを全部捨てたいのなら、勝手にやればいい。トヨタも中国車になるなり無国籍車になるなり、やればい。実際はできやしないのだ。

 小泉流「構造改革」のときはさんざん好きかってやって、利益を吸い上げてきたのに、その利益をはき出せ、というと、逆ギレする。こういう人達はたちが悪い。民主党は経済団体から山ほど献金をもらっているから、財界に強く物を言えない。この鳩山首相の発言をどんどん広げて、国民の力で大企業からため込んだ利益を還元さたい、と思うのだ。
posted by ナベテル at 00:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 社会・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする