2009年12月15日

郵政労働者が年賀状を押しつけられる現状

 郵政労働者の現状をかいま見ることができる記事を発見した。年賀状の販売のノルマが6000枚で、自分で買い取っている人もいるというのだ。
 年賀ハガキというのは郵便事業者の方から販促して需要を伸ばすような性質のものだろうか。そして、ノルマを設定して、設定できない分を営業が被るような性質のものだろうか。僕の目には郵便事業の本質を誤った労働者いじめにしか見えない。



年賀状の「違法販売」続出!? 特商法改正で日本郵政迷走
ダイヤモンド・オンライン12月15日(火) 8時30分配信 / 経済 - 経済総合
「法律を守ればノルマをこなせないし、ノルマをこなせば法律は守れない。早く郵政を摘発してくれれば(ノルマがなくなって)楽になれるのに」

 首都圏で郵便配達を担当する日本郵便社員が「郵政を摘発してほしい」と言うのだから穏やかな話ではない。

 この社員に課された年賀ハガキの今期ノルマは6000枚。ほかに「イベントゆうパック」(配達にゆうパックを用いる食品や名産品のカタログ販売)のノルマも年間70個ある。

 昨年までは郵便配達先で「年賀状とゆうパックはいかがですか」と声をかけたり、郵便受けにチラシを入れるなどして、青息吐息でノルマを消化してきた。

 ところが、12月から改正施行された特定商取引法によって、その手が安易に使えなくなってしまったのだ。

 特商法改正によって、年賀ハガキやゆうパック販売は、郵便配達のついでなら訪問販売、チラシなら通信販売、電話を使えば電話勧誘販売扱いとなり、新たな法規制の対象となった。

 たとえ郵便配達のついでに年賀ハガキを販売する場合でも、販売事業者の名称を名乗り、販売目的による訪問であることを告げ、販売できた場合には契約書面を交付し、クーリングオフの説明までしなければならない。

「郵便配達のついでに、『日本郵便の社員です。本日は年賀状の販売目的でお邪魔しました。年賀状を買っていただけるなら、署名捺印をお願いします』なんて言えますか。そんなことできるわけがない」と現場からは怨嗟の声が上がる。

 日本郵政は特商法遵守のための販売マニュアルを作成し、繰り返し現場にコンプライアンス(法令遵守)の徹底を伝達している。しかし一方で「年賀状のノルマはなくならないので、(特商法に定められている)ややこしい手続きを抜きにして売っていくしかない」(現場社員)。「今年も20枚ほどお付き合いいただけますでしょうか」では法律違反なのだが、現実にはこんな「訪問販売」がまかり通っている。読者諸兄にも思い当たるフシはないだろうか。

 冒頭の日本郵便社員は自分で年賀ハガキを買い取り、即座に金券ショップに売り飛ばす「自爆営業」でノルマを消化した。「法律を厳守するつもりなら、郵便配達先では売れない。今年は例年にも増して自爆が多いんじゃないかな」と眉をひそめる。

 なお、特商法に違反する行為はもちろんのこと、日本郵政では年賀ハガキのノルマ設定も自爆営業も、コンプライアンス違反行為として厳重に禁止されている。だが、当の本社がブレーキを踏みながらアクセルをふかすような指示をするものだから、こうした悪弊はいっこうになくならない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 小出康成)
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2009年12月14日

事業所閉鎖=解雇は間違い

 ウェンディーズの閉鎖について、その後のニュースが何もない。事業譲渡等されずに当初の報道の通り全店舗閉鎖なのだろうか。ウェンディーズのホームページを見ると、法人名は「日本ウェンディーズ」になっていてゼンショーではない。ゼンショーが100%出資しているのだろうか。
 あと、ウェンディーズのホームページを見ると「正社員68名 アルバイト・パート1903名」との記載がある。71店舗あるので、正社員が一人もいない店舗もあるのだろうか。


 一般的に、100%出資の子会社を清算した場合、親会社に従業員の雇用責任が出てくるか、と聞かれると、一般的には難しいけど、例外的事例もある、というのが答えだと思う。親会社が特定の従業員排除のために無茶苦茶やったような場合は責任が認められた例もある。子会社が法人の体をなしていない場合は親会社の責任が認められる可能性が高まる。
 また、アルバイト社員とか契約社員という名前でも、何度も契約更新されて、雇用期間も長期にわたっている場合は、「雇用継続に対する期待権がある」として期間満了でも雇い止め(要するに解雇)出来ない場合もある。1年契約の途中で解雇された場合は残りの期間の賃金相当額を請求できる場合が多い。
 もし、残業代の不払いがあれば、もちろん、全額請求できる。


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2009年12月12日

賃下げもデフレスパイラル

 一部を除き、安さが売りのファーストフード店が苦戦しているという。7〜8年くらい前に「デフレ」と言われて吉野家の牛丼が大流行したころとは時代が変わった。

 原因はスーパーや路面で直売している安いお弁当。ちょっと前のソフトバンク(電話)のCMでさだまさしが「♪安いお弁当を選んで買ってみても490円。でも味噌汁付かない〜」と歌ってたけど、

実はあれはさだまさしが安いお弁当を買っていないからで、最近は僕の事務所の周辺でも300円とか400円のお弁当が売られている(念のため言っておくとあの歌はあほくさくて好きだ)。

 お弁当が安いのは短期的にはいいことだが、最近の値下げ状況は、下の記事が指摘するように「体力消耗戦」になっているように思う。実際、ちょっと前まで僕を上客としていた某親子丼屋は路面のお弁当屋に僕を奪われつつある。でも、お客を奪ったお弁当屋は300円、400円の弁当を100個売ったとしても、一体いくら利益を出せるのだろう(この前、路面のお弁当屋のお兄さんに聞いたら口ごもっていた)。一方、お弁当屋に客を取られれば、牛丼屋や親子丼屋、ハンバーガー屋も値段を下げざるを得ない。

 飲食物を作るのに要する原価は大幅な切り下げできるものではない。値下げのしわ寄せは路面弁当屋や親子丼屋で働く労働者に行くことになる。僕が担当している事件や、見聞きする話でも、飲食業界の重労働、低賃金、残業代不払い等の状況は「ひどい」の一言だ。月収20万そこそこ(額面)で月300時間働かされたりしている例もあった。残業代は払わないのが普通だ。路面でお弁当を売っているお兄さんの労働条件も似たようなものか、もっとひどいのではなかろうか。そして、そういう職場でも「働けるだけまし」なのが現状で、店が流行らなくなれば解雇や雇い止めの波が押し寄せる。昨日書いたウェンディーズの件はそうならないことを祈るばかりだ。

 労働者の賃金が下がり、職を失えば、さらに国民の購買力が下がり、それに合わせるためにさらに安い食べ物を売らなければならない。全くの負のスパイラルだし、大手企業といえどもそれでは生き残っていけなくなる。今の状況は日本経済全体を破壊する流れだと思う。

 お互いに競争し合って貧しさに向かって突進する環境は抜け出さなければならない。そのためには労働者の地位を向上させるのは重要なのだ。派遣労働者の権利は大幅改善しなければならないし、大企業の従業員も会社に対してもっと「反乱」を起こすべきだと思う。

 これをいうと、大手企業は決まって「海外に逃げる」というのだが、これって真実なのだろうか?日本の人件費と企業の海外流失の関係ってあまり実証的な研究をしらない。誰かいい本知ってたら教えて欲しい。




“デフレの申し子”今度は苦戦 「内食傾向」強まる

12月12日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 景気低迷で家庭で食事を取る「内食傾向」が強まり、外食産業は「日本マクドナルド」や「餃子の王将」など値ごろ感の強い一部のチェーンを除き、軒並み苦戦を強いられている。

[フォト] マックも失速?11月売上高6%減

 日本フードサービス協会によると、1〜10月の外食産業の全店売上高が前年を上回ったのは半分以下の計4カ月しかない。

 2000年前後のデフレ局面で、低価格が受け“デフレの申し子”と呼ばれた牛丼チェーンも販売回復の糸口を見いだせずにいる。「吉野家」の既存店売上高は11月までに9カ月連続で前年実績を割り込み、ゼンショー傘下の「すき家」も既存店売上高が11月まで10カ月連続でマイナスになるなど大苦戦。スーパーの200円台の弁当の台頭などで、かつてのように「安い」というイメージが薄れ、客離れを招いている。

 すき家は今月7日から「牛丼並」の定価を50円下げて280円にするなど、値下げ競争も過熱。外食産業は利益を削ってでも客数をかせぐ“体力消耗戦”の様相をさらに強めている。
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2009年12月09日

阿久根市竹原市長ボーナスも不払い

 先日「阿久根市長が執行停止食らっても賃金未払い」の項で書いたとおり、懲戒免職処分の執行停止を勝ち取った職員は賃金請求の訴訟を起こしたようだ。
 そしたら、今度はボーナス不払い。竹原市長、どこまで無法を通すつもりなのだろうか。そのうち、市長個人に対して慰謝料請求されかねないし、敗訴必至の訴訟に対応するための市の経費は無駄な経費だ。住民監査請求→住民訴訟されたら、市長敗訴で個人負担になる可能性もある。



阿久根市が元係長にボーナス不支給、市長指示で
(2009年12月9日 読売新聞)

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が、庁舎内に掲示していた職員人件費の張り紙をはがした係長の男性(45)を懲戒免職処分にした問題で、市は男性に期末・勤勉手当(ボーナス)を支給しない方針を決めた。市条例の規定では、市は男性が処分前に勤務した約60日と、鹿児島地裁が処分の効力停止を決定した後の約40日の計約100日分について、支払い義務がある。男性の代理人弁護士は「行政の長が法律を無視している。法治国家にあるまじき行為」と非難している。

 市総務課によると、冬のボーナスは「一般職に属する職員の給与に関する条例」に基づき、6月2日以降の勤務状況に応じて今月10日に一斉支給される。

 竹原市長は、張り紙をはがした男性の行為を「行財政改革を支持する市民への挑戦」として、7月31日付で懲戒免職処分にした。

 だが、男性は6月2日から処分日までは通常通り勤務。さらに、鹿児島地裁が10月21日付で処分の効力停止を決定した後は、職員としての身分が法的に認められている。このため、条例に従えば、約100日分の約50万円が支給される計算になるという。

 市は地裁の決定を不服として即時抗告したが、福岡高裁宮崎支部は4日付で棄却した。しかし、市長はこれまで「復職させた場合、他の職員と一緒になって市長の命令に背くようになる」として司法判断を受け入れず、男性の職場復帰を認めない上、給与も支払っていない。

 男性は同地裁の決定後、市役所に出勤して働く意思を示しているが、市は門前払いを続けている。男性は市を相手取り、未払い給与を請求する訴訟を地裁に起こしており、ボーナスが不払いの場合、同様に請求する訴訟を起こす予定。

 男性の代理人を務める増田秀雄弁護士は「度重なる司法判断を無視し、復職を認めない市長の行為は、行政の長として許されない」と批判。自治労鹿児島県本部の高橋誠書記次長は「市長自らが条例を守らないのであれば、阿久根市は治外法権を宣言しているようなものだ」と話している。

 市側は取材に対し、「市長の指示で払えない」と説明。読売新聞は8日、市長に取材を申し込んだが、市長は応じなかった。
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2009年12月06日

賃確法のちょっとした使い方のコツ

 今日は京都弁護士会の「憲法と人権を考える集い」。ノーベル物理学賞受賞の学者である益川敏英さんが戦争体験から平和を語る講演した。どうでもいいことだが僕は司会をやった。

 で、そんなこととは何の関係もない賃確法の話。以前、会社が倒産した場合に倒産から6ヶ月前以降の賃金の8割の賃金を政府が立替払いしてもらえる制度があるという話をした。制度概要は労働局のホームページが詳しい。

 この賃確法だが、使い方にコツがある。つぶれる会社の給与の未払いは倒産前6ヶ月どころか、1年以上遅配が続いている場合もある。こういう状況で、使用者が給与をくれるとしたら、古い方(例えば1年前の未払いの)の給与を先にもらうのと、新しい給与(例えば今月の給与)を払ってもらうのと、どちらがよいのだろうか。労働局のホームページを見てもらえば一目瞭然だが、古い方の給与を先にもらった方がよい。なぜなら、政府は倒産前6ヶ月以内の給与しか立て替えてくれないからだ。

 もう一つ、給与の支払いと同時に社長から会社の破産と解雇を告げられるような場合にも裏技がある。そのお金を給与をもらうのではなく、解雇予告手当として受け取った方がよいのだ。解雇予告手当というのはいきなり解雇された場合に使用者からもらえる30日分の賃金額以上のお金のこと。解雇予告手当は未払賃金と同様、破産法上は「財団債権」という債権になり(この運用は地域によって違う可能性有り。少なくとも京都地裁では解雇予告手当は財団債権です)、お金が無い状況でも優先して支払って良い債権だ。つまり、社長としては、どちらを払っても破産手続きで咎められることはない、ということ。一方、労働者の方では、賃金は賃確法で立替払いしてもらえるのに、解雇予告手当は立替払いしてもらえない。立替払いしてもらえないものをもらった方が断然得なわけだ。

 こういうテクニックは知らずに済むに越したことはないが、こんなご時世、いつ会社がつぶれるか分からない。上記の点、労働者も、使用者の方も心得ておいた方がよいと思う。


posted by ナベテル at 20:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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